セガサミーホールディングス株式会社 様Vol.1
コンプライアンス教育の課題「読まれにくい」「伝わりにくい」を
「読まれる!」「伝わる!」への仕掛け作り
セガサミーホールディングス株式会社
グループ内部統制室
花澤 様
- 制作物
- コンプライアンス教材/イントラネット掲載
- タイトル
- COMPLIANCE STORIES
- 規格
- A5・カラー・9P(連載)
コンプライアンスも、楽しく能動的に学んで欲しい
――コンプライアンス教育に"漫画"の導入を検討したキッカケは何だったのでしょう?
弊社では2011年から漫画の教材をコンプライアンス教育に取り組みましたが、それ以前から、手を変え品を変え、様々な施策を行ってはいました。
その当時の状況として、コンプライアンスというワード自体はメディアを中心に発信され、一般的に浸透しつつありましたが、具体的な理解ということになると、忙しい業務の中にあって社員の方々には、敬遠されがちなテーマの1つではありました。
そのため、社員が興味を持ちやすく、親しみのあるコンテンツがよいと考えました。文章で説明をし、稀に図を入れる程度のコンテンツも検討しましたが、正直、食いつきはよくないだろうなぁと(苦笑)
そんな時、漫画なら興味を持って見てもらえるかな?と思ったのがキッカケです。一工夫して楽しく学んでもらいたい。そんな考えからコンプラインス教育に"漫画"を検討しました。
――教育を受ける側の方を意識して検討なさったのですね?
はい。第一に「伝えたい、届けたい相手」である、グループ社員全体のことを意識しました。管理職など普段から積極的に情報収集を行う、意識や感度が高い層以外にも、活字等でコンプライアンスの情報を入手する機会の少ない、やや興味の薄い層の方々にも届くものにしたい、というのが大きな動機です。
月間の閲覧数が圧倒的に増えました
――漫画教材の効果はいかがでしょう?
弊社では、毎月1話ずつ、計3~4コンテンツをイントラ上に掲載するというスタイルで漫画を公開していますが、漫画コンテンツの閲覧数はかなり高いという結果が出ています。
通常、弊社のイントラで閲覧数が多いのは、マネジメント層の情報発信欄(会長、社長メッセージなど)や福利厚生欄です。個人にメリットのある福利厚生欄の閲覧が多いのは当然だと思います。
しかし、漫画コンテンツをアップした月(昨年度は10月~1月)は、この漫画コーナーが福利厚生の閲覧数の、約1.5倍程度の数に跳ね上がっています。
つまり、漫画コンテンツについても、興味をもって閲覧されているということになりますね。
――漫画による、興味喚起は成功されたのですね。
閲覧数も多いですが、閲覧時間も平均4分程度というデータがあります。数値が全てではないですが、少なくともチラ見程度でページを離脱されることはなく、確実に多くクリックされ、かつ読んでいただけているのではないかと思います。
漫画には「実は違法だった!」「まさか!」の驚きの要素を入れる
――素晴らしい数値ですが、他に工夫されたことはありますか?
基本的にWeb掲載なのでPushは弱い面がありました。なので、一昨年(2013年度)から、クリックされる工夫としてオリジナルのバナーを作っていただき、掲載することにしました。
目を引くイラストを使うこと、そしてこれはグループ会社事例や弊社広報部からの助言によるものなのですが、堅苦しい文言、例えば「○○法について」ではなく、「まさか?○○になるとは?!」など、漫画の内容を端的に表すような文言に変えたことも効果があったようです。アプローチにも漫画の強みを活かしたカタチです。
――漫画の内容についての工夫はどのようにされていますか?
ドンデン返し要素を入れているようにしています(笑) 無難すぎるストーリーで「はい、これ気をつけてね。覚えてね。」とするだけでは飽きられ、二度と読まれないと思っています。先ほどもいいましたが、やや興味の薄い層の方々にもしっかり届ける、これが目的であるからです。
具体的には、「当たり前だと思っていたことが違法だった!」や「問題ないと思っていたことがまさか!」の驚きの要素を入れるようにしています。
忙しい業務の中で、つまらない、当たり前の内容だと次から見てくれなくなる。そう思っているのでこれからも内容については練り続けていく必要を感じています。
――話は変わりますが、グループ社員向け以外にも活用なさるケースはありますか?
役員向けの研修会にも印刷して配っています。研修の合間などに見て頂いているようです。研修会場のあるはずのないところに漫画が置いてあると、かなり目を引くことができるようです。普段この教材はWeb掲載ですが、機会があればプリントアウトして使用できるのも利点ですね。
漫画という手法なら届けたい人に届けられる
――漫画は効果があるの?柔らかすぎない?などの意見はなかったのでしょうか?
やはり、そういう意見もありました。しかし、仕掛ける側としては「漫画という手法なら、メッセージを届けたい人に届けられる」という考えが強くありました。そして、感覚値ではありますが、届けたい層へ届いているという実感はあります。今後も試行錯誤していきたいですね。
JOBコミとは二人三脚で心地よく取り組ませていただいています(笑)
――弊社は制作に携わらせていただいて5年目になります。率直に弊社についてご意見ご感想などいただければ幸いです。
弊社はテーマと大まかな構成、人の表情などは細かく指示しますが、我々は漫画のプロではないので「コマ割り」や「流れ」などは、御社のプロとしてのノウハウを頼り、お任せできると思っています。
逆に提案をもらうこともありましたね。いろいろとメッセージを盛り込みたいとオーダーすると、「少し絞ったほうが伝わりやすい」と。
――それは恐縮でございました…
いいんです。結果的にその方がよく伝わる内容に仕上がりましたから。限られた尺で「伝えきる」ノウハウはプロの意見が正しいと思います。
――最後の質問になりますが、今後の展開についてお聞かせください。
短期間で形式をコロコロ変えることはよくないことだと思っています。皆さんにまず覚えていただくために、しばらくはこのスタイルで行う予定です。その方が読み手の皆さんも安心感があると思うので。
現在は、違和感なく御社と内容を練りながら連載ができているので、作り手も受け手もよいスパイラルが作れていると思います。
ただ、中身を一層工夫しなくてはいけないというプレッシャーはありますね(苦笑)